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2026.03.16

2026年2月の検査結果「応援業者の実態」

2月の現場インスペクションは【88】検査実施しました!

 

3月は多くのハウスメーカーは本決算です。

そのため、2月~3月上旬にかけて、建物完成に向けて、どこも仕上げ工事が集中していますから、業界的には繁忙期と言えますね。

ちょうど2月の現場インスペクションも同様の工事現場が多数ありました!

 

当センターの決算期は3月ではありませんし、そもそも業務に支障はでません。

しかし、現場インスペクションが主業なので、どうしても繁忙期は影響を受けます。

例えば、現場側が引渡しの仕上げ工事に追われていますから、他現場(引渡しが先の現場)が疎かに(現場工程が把握しきれていない)なってしまい突発的に検査依頼がくるケースも少なくありません。

 

2月の指摘事例と併せて、この時期のよくある建築事情を少しお話しいたします。

 

下記は、木工事中の写真です。

フローリング貼り作業中ですが、養生が全くされておらず、足跡だらけです・・・・

 

 

 

下記は、道具や工具もフローリングの上に直置きされていますから、傷がつく可能性が高いですね。

フローリングを貼ったら、すぐに養生するのが当たり前の作業工程です。

現場工期に追われている為、養生を疎かにして進めているのか。普段もこのような施工をしているのかまでは不明です(ちなみに職人は外国の方でした)。

後者の場合、後で掃除すればよいと考えている職人を使っているハウスメーカーではあれば、やめたほうがいいですね。

 

この時期の現場実態の話に戻りますが、

繁忙期はとにかく手が足りない!(人材不足もありますが、主に多数の物件を同時並行で進める必要がある為、現場進捗が重なる為、対応しきれていない。という意味合いが強いです)そのため、職人を他から手配(応援要請)するケースは多いです。

 

応援業者といっても様々いるのですが、ご存じでしたか?一例ですがご紹介します。

まず、皆さんがすぐに思いつくのは、違うエリアの支店から一時的に職人を借りる。要は会社間で完結される。というイメージが強いと思いますし、一番望ましい形である事は間違いありません。

 

しかし、実際にそれは難しく、会社の決算期は同じですから、どのエリアも人手不足に陥っているため、他エリアからの応援は当てに出来ないのが実情です。

では、各社どこから応援手配しているの??という事になりますが、この冬の時期は、北海道や東北地方から出稼ぎにくる職人が多いですね。主な理由は、東北は厳しい積雪等の影響により、現場作業が出来ない為、冬季の収入源確保を目的に関東など大都市圏に出てきて仕事をするケースが多いです。

 

逆に、受け入れ側(ハウスメーカー)としても、早くから該当地方の職人に声をかけて人手を確保する動きを取っているのが実情です。

事前に押さえておかないと、他社に取られてしまう可能性がある為、時期を限定して下請け契約の取り交しを事前に済ませておく会社もあると思います。

その他、外国人を雇用して人手を補う「技能実習制度」などもありますね。

 

無事に応援業者の段取りが出来て、人手不足を補えたので、工事が予定通り進められるメリットはあると思いますが、現場品質面で言えば、「これで安心」とは言い切れません。

 

多くの出稼ぎにきている職人は、収入源の確保が主な目的です。

そのため、本業の技術を活かして稼げるに越したことはありませんが、稼ぐ事が最優先ですから、やりたい仕事をやっても稼げない(目的が達成できない)可能性があるという事です。

本業とは異なる職種や仕事内容でも請けざるを得ないケースもあれば、より稼げる現場を優先して現場を選択する傾向はあります。

 

多くのハウスメーカーは自社マニュアルを作成して、マニュアル通りに造れば一定の品質が確保できる仕組みとしています(全ての現場が実行できてはいませんが)。

限られた期間の中で応援業者がマニュアルを全て網羅しているとは考えられません。そもそも普段から決まったハウスメーカーの仕事をしている職人ですら、全てを把握している方は殆どいませんから・・・。

 

ただでさえ、繁忙期の忙しい中で、マニュアルや社内規定を把握できていない職人が作業をしているのであれば、大なり小なり必ずミスが発生(社内規定通りではない)する可能性が高いという事です。

 

人がやる事なのでミスを完全に防ぐ事は難しいため、現場担当者がしっかり現場を管理する役割にいますが、繁忙期ですから、全ての現場を見て回れない。(職人に任せきり)というのが現場の実態と言えます。

 

下記は、バルコニーの掃き出しサッシ下ビスの施工状況です。

ビスが防水層(FRP防水)を貫通していますが、ビスへの止水処理が未施工です。

こちらも当たり前の作業工程ですが、施工が漏れていた。自社検査も漏れていた。という事になりますね。

 

次の写真は、ユニットバスの天井点検口から浴室換気扇のダクト施工状況です。

ダクトが180度曲がっており(潰れている)、換気性能が著しく低下する恐れがあります。

ご紹介した一部の指摘も、当センターが検査に入っていなければ、そのまま建物が完成していた可能性があります。当センターの検査も現場工程の中の限られた一部のタイミングですが、それでも不具合は後を絶ちません。

 

皆様の家づくりに現場インスペクションを通して少しでもお役に立てればと思っています。

勿論、これから家づくりを検討される方は、現在検討されている方も、現場インスペクションの過去事例を基に各ハウスメーカーの良し悪しなども把握していますから、気になるハウスメーカーに関するご質問にもお応えいたします。

些細な事でも構いませんので、まずは当センターまでお気軽にお問合せください!

 

先月の検査結果はこちら

2026年1月の検査結果「竣工検査の限界」

 

記事作成:ホームインスペクター新井

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