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2026.02.11

2026年1月の検査結果「竣工検査の限界」

1月の現場インスペクションは【95】検査実施しました!

最近では、建物完成済で引渡し前の方からお問合せを頂くケースも増えてきました。

今回ご紹介する案件では、完成するまでに不備が多数発覚し、引渡しが遅延となった為

引渡し前の竣工検査の依頼を受けました。

 

竣工検査とは、「綺麗(見栄え)にできているかどうか」が主な評価軸になります。

なぜなら、竣工検査時点では隠ぺい部分(隠れてしまっている部分)は目視確認ができませんから、本当に建物が正しく施工されていたかどうかの判断は出来ません。

 

竣工検査で可能な限り確認するという事は、新築時の竣工検査というよりは、売買前に建物の劣化状況を非破壊で確認する「既存住宅状況調査」に近いと言えるでしょう。

非破壊検査ではどこまで見てもらえるのか・・・とご質問を頂く機会も多いので、1月に実施をしたインスペクション結果を参考にご紹介いたします。

 

下記は、赤外線カメラ(サーモカメラ)による断熱施工状況の予測的調査を実施

 

 

サーモカメラ画像拡大

画像を見てわかるように、赤い部分と青い部分があり、簡単に言うと、赤色範囲(明るい範囲)は温度が高く青色範囲(暗い範囲)温度が低い。という事です。

 

当該部位は、バルコニー下の天井です。

天井面は外気に接していますから、断熱材の施工が必要になりますが、サーモカメラでは

室内側に冷気が入ってきていると判断できる為、「断熱欠損(隙間)」「気密施工の不良」などの可能性が高いです。

室内は仕上がっていますが、天井を剥がしてやり直すしかないありませんね・・・

 

 

次は、床下点検口から床下に潜っての調査です。

床下から配管等が立ち上がっていますが、配管まわりの断熱材は隙間だらけです。

床下の冷たい空気が隙間から室内に流入してしまう為、隙間部分に断熱材を追加充填する必要があります。

 

 

そのまま、床下を潜って進んでいくと、基礎立上りにクラック(ひび割れ)がありました。

クラックスケールで計測し、クラック幅0.65ミリを確認しました。

コンクリートの話を少しだけ。

コンクリートは、セメントと水が化学反応を起こし硬化する為、水とセメントの割合(水セメント比)が重要なのですが、全ての水が化学反応によって無くなるわけではありません。

余った水(余剰水)は乾燥していく為、この時に「乾燥収縮によるクラック(ひび割れ)」が発現します。

 

上記の話は、材料の特性上仕方がない事象です。

要は、コンクリートのクラック(ひび割れ)発現を完全に防ぐことは出来ませんが、発現したクラック(ひび割れ)が、「修補必要なクラックかどうか?」が重要になります。

 

コンクリートのクラック(ひび割れ)の基準に関しては下記の図を参照ください。

 

図1 品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の基準

*国土交通省の資料を基に著者にて作成

 

図2 日本建築学会の基準

*日本建築学会:鉄筋コンクリート造建築物の収縮ひび割れ制御設計・施工指針(案)同解説を基に著者にて作成

 

ご紹介したのは一部で、特にわかりやすい項目を挙げています。

竣工検査の時でなければ確認が出来ない項目も少なからずありますが、確認出来ない項目のほうが多いため、「竣工検査だけでは限界がある」事はご承知おきください。

 

竣工検査だけでこれだけの指摘がでたのだから、他の見えない部分は本当に大丈夫なのか。

さらに、竣工検査時に発覚した事によって、手直しも大掛かりになり、さらに引渡し日が延びてしまうのでは・・・。検査後にご心配の声を聞く事も多いのが実情です。

 

「品質は検査で造り込む」のではなく、「品質は工程で造り込む」事が重要ですが、実際に出来ている住宅会社は、殆どいないのではないでしょうか。

当センターも限られたタイミングと回数でしか現場インスペクションは実施出来ませんが

特に重要なタイミングで各検査項目を設定し、限られた工程ではありますが、工程で造り込む事の過程でインスペクションを実施して、皆様の家づくりのお手伝いをさせて頂きたいと思っています。

 

これから家づくりを検討される方、既に検討されている方、既に現場がはじまっている方

何かお困りごとがあれば、お気軽にお問合せください。

 

★2025年12月の検査結果はこちら

 

記事作成:ホームインスペクター新井

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