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2025.12.26

本当にコスパのいい家づくりとは

ミドルコストメーカー・中堅ハウスメーカーの実力

 

住宅費用の高騰により、大手ハウスメーカー、準大手ハウスメーカーを諦める方も多いのではないでしょうか。そこで候補に挙げられるのが、いわゆるミドルコストメーカー。その実力は如何ほどなのでしょう?

 

・大手ハウスメーカー、準大手ハウスメーカーとは

・ミドルコストメーカーとは

・大手との違いはあるのか

・工務店と比較した場合

・コスパのいい家づくりの解決策

 

 

・大手ハウスメーカー、準大手ハウスメーカーとは

大手ハウスメーカーとは、大手8社と言われています。積水ハウス、ダイワハウス、旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)、パナソニックホームズ、住友林業、三井ホーム、ミサワホーム、セキスイハイムの8社です。

 

これらの会社は戦後復興において、住宅供給を「早く」「ある程度安く」「一定の品質」の旗振りで「プレハブ住宅黎明期」より、住宅供給を支えてきた会社です。現在は、かなりの高額商品ですので、当初路線から若干外れてきている感も正直、否めません。

 

一方、準大手ハウスメーカーは中堅ハウスメーカーとも呼ばれ、大手に比べて価格が安い、商圏が狭いなどの特徴を持ち、中堅ハウスメーカーなどとも呼ばれています。

明確にはカテゴライズされていませんが、住友不動産ハウジング(新築そっくりさんと合併)、トヨタホーム、ヤマダホームズ、三菱地所ホーム、大成建設ハウジングあたりでしょう。

住友不動産や三菱、トヨタなど源流が大きいのも特色の一つです。

なお、一条工務店は、独自路線を突き進んでいますので、どこに括ればいいか・・当職も良くわかっていません(笑)

 

・ミドルコストメーカーとは

こちらも明確な線引きはないですが、大手・準大手と比較すると、社歴が浅いなどの特徴を持つメーカーもありますが、以下のような会社が挙げられると思います(一部、ローコストと言われる会社も・・)。

ヤマト住建、アイ工務店、木下工務店、土屋ホーム、スウェーデンハウス、サンヨーホームズ、日本ハウスHD、ポラスグループ、桧家住宅、ウィザースホーム、アエラホーム、ユニバーサルホームなど。※挙げている会社は一例で、挙げればきりがないのも実情です。

 

・大手との違いはあるのか

心配な点の一つは「経験値の違い」でしょうか。家づくりにおける経験値はかなり重要です。注文住宅では、この敷地にこのプランをポンと置く…というわけにはいかず、丁寧なヒヤリング、建設地の分析を基に最適解を導き出すには、「経験値」が必須です。故に、経験値(=引き出しの多さ)は重要で、端的に言えば過去に「どのくらいの失敗をしてきたか」が、大手ハウスメーカーの最大の長所と言えます。

 

一方で、ミドルコストメーカーでも社歴は浅くとも、経験値が豊富な会社もあります。会社としての引き渡し棟数は少なくても、大手ハウスメーカー出身者で構成されている会社などは、その失敗を含めたノウハウもある程度は持っているため、提案力に関しては見劣りすることがない場合も見受けられます。

 

では、一番の違いは?それは「組織のDNAが末端まで届いているか?」だと思います。特に、毎年増収増益で受注棟数が伸びている会社は、施工能力の確保に必死です。しかしながら、寄せ集めの職人や業者であれば、会社の想いや信念、もっと言えば「施工マニュアル」などを遵守すること・監理することが非常に困難です。

 

・工務店と比較した場合

工務店は社長の考えがなにより重要です。社長の考える「いい家」が、その工務店の家づくりに反映されます。どちらかと言えば、家を商品として扱うのではなく、1棟1棟を手作業で建てていくDNAですから、場合によっては「何でもできます!」というスタンスの工務店も珍しくはありません。

ミドルコストといえども、メーカーの提唱する家は「商品」としてとらえ、ある程度の標準仕様が決まっていますので、その点が大きな違いです。

 

・コスパのいい家づくりの解決策

少し前の時代にさかのぼると、ミドルコストメーカーの現場は、決して褒められるような出来ではなかったと記憶しています。法律や、施工マニュアルも気にせず、価格とスピードで勝負していた感が否めませんでしたし、そもそも、当センターのインスペクション介入をお断り!というメーカーが多かったです。

 

最近ではインスペクション介入もある程度認知され、ミドルコストメーカーのインスペクション介入も増えてきました。実際にインスペクションを実施して思うのは、大手や準大手と、さほど経験値を含めて差がなくなってきたな・・というのが素直な感想です。もちろん、どんな会社でも現場監督や職人の当たり外れがあります。大手の方が、当たり外れ(いわゆる職人ガチャ)の危険性は低いかもしれませんが、ミドルコストメーカーでも、きちんとした現場監督や職人さんも確かに存在します。

 

以前は介入を断られていた経緯のあるヤマト住建やアエラホーム、富士住建などのインスペクションを最近になって実施しましたが、きちんと技術知識の受け答えができる現場監督さんでしたし、職人さんの腕も決して見劣りするようなことはなかったと率直に思います。もっとも、当センターがインスペクション介入をするので、優秀な方をチョイスしている可能性は捨てられませんが。

 

ブランドや安心という事は別物として、コスパのいい家づくりの一つの正解は、ミドルコスト(中堅)メーカーで、間取りのチェックから現場インスペクションまで実施することなのかもしれませんね。

 

記事作成:市村崇

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