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家の骨組みを支える「木材」の話
木造住宅を考える上で、木材は家の性能・耐久性・将来のメンテナンス性を大きく左右する非常に重要な材料です。今回は、建築のプロの立場から、家づくりを考えている方にぜひ知っておいてほしい「木材の基本」と「注意点」を分かりやすく解説します。
そもそも木材とはどんな材料か
木材は、鉄やコンクリートと違い、自然から生まれた材料です。そのため、同じ樹種であっても一本一本性質が異なり、強さや乾燥状態、反りやすさにもばらつきがあります。
一方で、木材は「軽くて強い」という大きな特長を持っています。適切に選び、正しく使えば、地震に対してもしなやかに力を受け止め、長く安心して住める家をつくることができます。
だからこそ、建築では木材の品質を決められた基準で管理することが欠かせません。
建築用木材のJAS規格
建築構造用の木材の代表的な規格といえばJAS規格(日本農林規格)です。建築に関係するJASの木質建材は11品目の規格に分かれており、この中に製材が含まれています。JAS製材は材によってさらに6つに分類されており、分類された規格ごとに強度等級や含水率など細かな規定があります。
「国産ヒノキ」「無垢材使用」といった言葉だけでは、木材の良し悪しは判断できず、
どの部位に、どの等級の木材を使っているのかが重要です。

無等級材(NONJAS材)って?
無等級材{NONJAS(ノンジャス)材}とは、日本農林規格(JAS)の認証を受けていない木材のことで、一般的にはJAS規格品よりも安価と言われています。無等級材はただちに構造材に使用できないというものではありませんが、実情として品質管理をされていない材が多いため、構造材には使用しないようにするのが無難と言えます。
木材で重要な「含水率」
建築用構造材ではどの部位に、どの等級の木材を使っているのかが重要だとお伝えしましたが、建築用構造材が現場でどのように管理されているのかは非常に重要なポイントです。そして、木造住宅の品質を左右する大きな管理要素の一つが含水率です。
含水率とは、木材にどれだけ水分が含まれているかを示す数値で、JASの建築用構造材では14〜20%以下で、JAS木質建材の分類ごとに規定値が定められています。含水率が高い木材を使うと、次のような問題が起こりやすくなります。
- 蟻害のリスクが高まる
湿った木材はシロアリにとって好環境になりやすく、被害を受けやすくなります。 - 木材の強度が低下する
木は乾燥することで本来の強度を発揮します。水分を多く含んだ状態では、設計通りの性能が出にくくなります。 - 乾燥後に反り・割れ・ねじれが生じる
建築後に木材が乾燥すると、柱や梁が動き、床鳴りや建具の不具合、壁のひび割れにつながることがあります。
これらは完成直後には分かりにくく、数年経ってから表面化するケースが少なくありませんので注意が必要です。
含水率管理はキチンと実施しているか
JAS規格材を使用していても、木材の含水率が高くなる大きな要因は建て方中の雨濡れなどです。日本では地域によりますが、おおよそ3日に1日程度は雨が降るため、完全に雨濡れを防ぐのは至難の業。濡らさないに越したことはないですが、ここで重要なのは「含水率の管理値をキチンと把握する」「材が雨濡れしたら次工程までキチンと乾かす」ことです。
濡れたまま次工程に進んでしまうと乾燥させることは困難です。建物完成時まで乾かないことも。。。

まとめ
木材は完成後ほとんど見えなくなります。しかし、見えないからこそ、家の耐久性や安心感を大きく左右します。
家づくりを進める際、工務店やハウスメーカーに
「構造材はJAS材ですか?」「含水率管理はどうしていますか?」
と聞いてみてもよいかもしれません。
記事作成:ホームインスペクター鶴岡




