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2025.10.24

ハウスメーカー推薦検査について

現場検査項目の選び方

 

インスペクション(現場検査)というワードが、なんとなく浸透してきた感じはしますが、実際には、まだまだ知らないことが多いのではないでしょうか?当センターに頂く、ご質問の中で、最も多いご質問…と言っても過言ではないのが、【どの検査項目を実施すればいいのか?】というものです。

今回は、現場検査項目の選び方についてお話をいたします。

 

 

  • 必要な検査項目はどのようにして決めているのか。
  • 一般的な検査項目の選び方。
  • 住宅会社(ハウスメーカー)によって推奨検査は異なる!?
  • 自分(自邸)に合った検査項目選びが必要!

 

 

 

 

 

・必要な検査項目はどのようにして決めているのか。

 

新築住宅に必要な検査項目は、主に下記の法律や制度の基準をベースに決めています。

1.建築基準法

建物の安全性や衛生面に関する最低限の基準。

2.住宅性能表示制度

次にある、10の評価項目の基準。

「構造の安定」、「火災時の安全」、「劣化の軽減」、「維持管理・更新への配慮」、「温熱環境・

エネルギー消費量」、「空気環境」、「光・視環境」、「音環境」、「高齢者等への配慮」、「防犯」。

また、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」は、将来長く良好な状態で住み続ける

事ができる高い住宅性能を認定するものですが、認定基準は住宅性能表示制度の基準が

引用されています。

3.住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)

構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分に関する品質基準。

また、「住宅瑕疵担保履行法(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)」と密

実な関係性があり、品確法は引渡しから10年間は瑕疵(欠陥)があった場合に住宅会社

が無償で修補する事を義務付け、それを履行させる為に保険に加入し、資力を確保して住

宅会社が倒産した場合であっても保険金が支払われる仕組み。

 

 

 

 

 

 

・一般的な検査項目の選び方

 

まず、住宅を建てる上で重要な項目を大きく分けると、下記の3項目に分けられるのでは

ないでしょうか。

1.構造に関わる項目

主に建物を支える基礎、柱、壁、梁などの建物の主要な構造部。

2.性能に関わる項目

主に耐震性、耐久性、断熱性、気密性、省エネ性、防火性、防犯性など。

3.仕上がりに関わる項目

主に建物の外装や内装の見栄え(表面的な美しさ)、設備機器や建具等の作動。

 

当センターの検査メニューで分類すると

構造:杭工事検査、基礎配筋検査、基礎完成検査、上棟時の構造検査

性能:防水検査、断熱検査、気密測定、内部造作下地検査、内部造作完了検査

仕上:内部造作完了検査、足場解体前外装検査、竣工検査、外構検査

 

基本、上記の中から実施したい項目を選ぶことになりますが、どの項目も重要ですから

ご予算が決まっている場合には、どの項目に絞ればいいかをご自身で判断するのは難しいと思います。

 

他社インスペクター会社を例にだしますが、ベーシックコースや5回検査コースなど

ある程度回数を絞ったプランをいくつか用意されているものを多く見かけます

 

 

 

 

参考例:

 

一般的に考えられるメリットは、

「料金体系がわかりやすい」「予算と比較しやすい」「専門的な事はわからないのでコースだ

と選びやすい」「単体検査よりも1回の費用が抑えられる場合がある」などでしょうか。

 

逆にデメリットは、

「希望する検査が一番高いコースにしか設定がない」「希望しない検査が含まれている」

「柔軟にカスタマイズできない」「単体検査のように途中でやめられない」などでしょうか。

検査項目選びでも、どれが自分のニーズにあっているかを見極めるのは重要です。

 

 

 

 

 

 

 

・住宅会社(ハウスメーカ)によって推奨検査は異なる!?

「ハウスメーカー8社会」と言われている大手ハウスメーカー(※1)の場合、認定工法

(特許のような工法)のため、各社それぞれ長所短所はあります。

※1:旭化成ホームズ、住友林業、積水ハウス、セキスイハイム、大和ハウス工業、パナソニックホームズ、ミサワホーム、三井ホーム

 

「木造」と「鉄骨造」どちらがいいのか。と聞かれますが「こっちがいいですよ」という絶体解はありませんから、どちらの工法にもメリットデメリットが存在します。

 

単純比較しやすいのは、「断熱性能」になります。

鉄骨造はそもそも、熱伝導の高い鉄を構造躯体としていますから、外気温等の外的環境か

らの影響(ヒートブリッジ)を受けやすいのが弱点と言えますから、木造が優位です。

 

あとは採用している断熱材によっても長所短所はあります。

多く採用されているのは、繊維充填系断熱材で、商品の種類も豊富でコストパフォーマ

ンスと施工面に優れていますが、多くの施工不良は「欠損(隙間)」や「潰れ」です。

鉄骨メーカーでは、発砲プラスチック系断熱(フェノールホーム)も採用されており

性能も高く、軽量で加工も容易、隙間無く施工しやすい点がありますが、多くの施工不良

では「破損」や「設備貫通部(配線など)まわりの欠損(隙間)」です。

 

 

その他、吹付断熱(硬質ウレタンフォーム吹付)では、均一に吹付けする事により気密性

が優れますが、多くの施工不良は「厚み不足」や「欠損(隙間)」です。

 

各社が採用している商品(材料)の特徴なども把握する事が重要です。

今回は断熱材を一例に挙げていますが、各社の構造・工法・特徴を理解していればお客様

が選ばれた会社に合った、検査項目をご提案する事が可能と考えています。

 

当センターの検査メニューは10項目以上あるので、すべての検査項目を実施してもらう事に越したことはありませんが、限られたご予算等あると思います。

 

大手ハウスメーカーで建てられるお客様から多くの依頼を受けている当センターだから

こそ、過去の検査実績に基づき、各ハウスメーカーの長所短所の把握をしています。また、

当センターの特徴のひとつですが、実際に担当している営業マン・工事担当者・施工会社の監督(下請け)・施工業者(職人)に対して、直接指摘・是正指導をしてきた【豊富な経験値】があります。また、建設地(エリア)によっても品質のばらつきは多い為、ハウスメーカーだけでなく、建設地(エリア)の特徴も踏まえたうえで、具体的な検査項目をご提案しています。

 

当センターでは【ハウスメーカー推奨検査表】という、過去実績を基に独自で作成した

検査表をご用意しています。要は、ハウスメーカーによってお勧めする検査回数が異なる

という事です。これも、各社の特徴と現場での豊富な経験があるからこそご用意できるも

のだと自負しています。

他社インスペクション会社のように、コースで検査回数を絞った中から実施する検査を選ぶことを悪いとは言いませんが、当センターと他社の大きな違いになります。

 

具体例を挙げますが、

積水ハウス(鉄骨)の場合、推奨検査は5回でご提案しています。建物規模が2階建ての

45坪の場合、1検査費用は税別80000円なので、×5回=税別40万になります。

勿論、推奨検査をベースにお客様のニーズよって検査項目はカスタマイズ可能です。

 

 

 

 

 

・自分(自邸)に合った検査項目選びが必要!

 

ご自身が家づくりで何を重要とされているか? は人それぞれです。

これまでお伝えしている通り、選ばれたハウスメーカーの長所短所の把握、過去実績を基

に検査項目の優先順位付をしたうえで、お客様のご予算に合わせて検査項目をカスタマ

イズして実施する事が必要です。

 

また、検査を実施していく中で、実際の現場施工(品質レベル)状況が見えてきます。

検査結果次第で追加検査の必要性を感じるケースもあります。

これは「現場監督」や「職人」のレベルによって、現場品質が左右されてしまう事が原因

になりますので、工事がはじまってからも、状況に合わせて検査を選択して頂けるようにお客様の家づくりの中で出来る限りの最善の方法で少しでもお役にたてるよう努めます。

 

当センターでは、お問い合わせを頂きましたら、初回無料の面談を実施させて頂きます。

これは、皆様一人一人の家づくりに向き合うための大切な過程と位置付けています。

ご興味ある方は、ぜひお問合せ頂けますと幸いです。

 

 

 

 

現場インスペクションはこちら

https://e-home-inspector.com/service/inspection/

 

 

記事作成:ホームインスペクター 新井

 

 

 

 

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