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2025.10.02

インスペクション会社によって調査結果が違う⁉

木造戸建住宅の【欠陥住宅調査】に伺いました。

ホームインスペクション会社による調査済みの建物で、以下のような指摘報告書に記載されています。

 

以下報告書抜粋

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室内:指摘事項

天井面に垂れ下がりと推測される事象がみられました。クロスにも隙間が見られています。

リビング空間が大スパンによって構成されている為、垂れ下がっている可能性も考えられますが、詳細は不明です。専門業者に調査を依頼し、事象に応じた補修等を行うとよいでしょう。

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ホームインスペクション会社=専門の調査会社じゃないのかという疑問はさておき(笑)

天井面が垂れ下がっているなんて報告書を受け取った依頼主は当然心配になりますね。

 

 当該指摘箇所を見ると指摘事項として記載があるように天井クロスが開いている事がわかります。

ただ、数千件もインスペクションを実施してきた私たちから見れば、この状況で天井が下がってきている恐れがあるとは判断しづらいですね。

 

さらに、報告書には具体的な計測数値などはなく、目視のみで指摘事項を上げていましたので、ここは専門業者として(笑)、キチンと計測を行います。

今回はレーザーレベルで天井面を計測しました。

天井面の傾斜はおおよそ3mで1.8/1000mm程度、施工誤差の範囲であることがわかります。

念の為、上階の床レベルも計測します。

【床の水平精度】は品確法にて、目安の数値が記載されており、以下のとおりです。

上階床の傾斜も最大でおおよそ3mで2.7/1000mm程度、品確法の基準に照らし合わせても瑕疵の可能性は低いと言えます。

数値と根拠を以って依頼主に説明差し上げたところ、ご安心いただけたようです。

インスペクション会社は無数にありますが、無責任な調査結果を提出するところも見かけます。調査に携わる者として、責任ある報告を心掛けたいです。

 

最近では、インスペクション会社が増えてきました。単なる検査員、診断士なのか?建築を知っているインスペクターなのか?によって、調査結果が変わってしまうのが実情です。住宅会社と同様に、インスペクション会社もピンキリ・・、という状況は、黎明期から業務をやっている我々からしてみると残念でなりません。

 

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