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2026.01.20

驚くほど多い!?通気不良にご用心

 

 家づくりのテーマを考える上で「耐震」「断熱」「気密」は話題になる一方で、「通気」は見逃しがちです。特に、近年は建物の高断熱高気密化が著しく、それに伴う壁内結露などのリスクは増大しています。それにも関わらず、ハウスメーカーや工務店の現場インスペクションを実施すると驚くほど多い通気不良。今回は建物の耐久性を左右する非常に重要な要素である「通気」について説明します。

 

 

 

「外壁通気」とは?

 現在の木造住宅の多くは外壁通気工法を採用しています。

これは、外壁材の裏側に通気層(一般的に15mm以上)を設けて、下から空気を取り込み、上へと排出する仕組みです。

                                                                                    透湿防水シートを使用した外壁通気工法のイメージ     

                                                                                                                                                                                                                           デュポン™タイベック® 施工上のポイント・施工手引より一部加筆

 通気層の役割は大きく3つあります。

  •  壁内に侵入した雨水を排出する
  • 壁内の湿気を乾燥させる
  • 夏季の日射熱を外へ逃がす

つまり、通気層とは木造住宅で発生する湿気や結露、熱を適切に排気できるような「空気の通り道」のこと。木造住宅にとって重要な役割であることがわかります。

 

「屋根通気」とは?

 屋根断熱工法の場合に多く採用される通気工法です。屋根垂木間などに30mm程度の隙間を設けて、軒先から棟に向けて空気の通り道を作ります。屋根通気を設ける目的は外壁通気と同じですが、夏場の強い直射日光で暖められた空気を循環させる意味では、外壁通気と併せて重要な部位と言えます。

 

ちなみに「通気」と似たような言葉で「換気」があります。「換気」とは建物内部の汚染された空気を新鮮な外気と入れ替えることで、建築基準法や品確法にはどの程度空気を入れ替える必要があるかの規定があります。天井断熱工法の場合は、この規定に基づき、小屋裏空間は換気をする必要があります。小屋裏空間はかなり過酷な環境で、夏場には50℃を超えることもあります。屋根通気や小屋裏換気が適切にできていないと、次の写真のように大量の結露水が発生し、構造体の腐朽リスクが格段に上がります。

小屋裏換気不良による結露跡の様子

 

通気は法律で決まってない?

「換気」は法的に決まっていると紹介しましたが、「通気」に関しては建築基準法には記載はなく、「住宅性能表示制度(品確法)の 劣化対策等級」に記載はありますが、法的な規制が無いのが実情です。

 実務上の設計・施工に関しては、上記法令の他、「住宅金融支援機構の木造住宅工事仕様書」、「日本窯業外装材協会の外壁通気工法」などに記載があり、技術的指針として運用されています。

 大手ハウスメーカーですと、この辺を把握・考慮した上で、自社の仕様を設定していることが多いのですが、複雑なおさまりの場合や施工ミスで通気不良となっていることがあります。一方、情報が少ない中堅ハウスメーカーや工務店の現場では施工マニュアルや標準仕様が定まっておらず、結果として通気不良と判断できるような現場が多々発生しているのが実情です。

 

まとめ

 「通気」は、「耐震」「断熱」「気密」ほど派手ではありませんが、建物の耐久性を左右する重要な要素です。通気層の役割をしっかり理解し、正しい設計と施工で永く住める家づくりを目指しましょう。ただし、通気層の確認はプロでも難しいのが実情です。確認箇所が足場の上だったりと危険を伴うこともあります。少しでも不安や心配事があれば、当センターのようなプロの第三者に相談いただくことをおススメします。

 

記事作成:ホームインスペクター鶴岡

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