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2025年を振り返って
本年も残りわずかとなりました。
皆様のご支援のおかげで、無事に一年を締めくくることが出来ました。
ありがとうございます。
どうぞ来年も、引き続きよろしくお願いいたします。
2025年の振り返りを簡単に…
業界全体では、価格高騰の波が押し寄せ「これでもか」というくらいの建築費用の値上げが目立ちました。家づくりをお考えの皆様にとっては、様々な決断が難しい一年だったと思います。
残念ながら、この値上げ傾向は、来年以降も続くと思われます。このような状況下で、一番重要なのは「優先順位」ではないでしょうか。
・価格
・性能
・保証
など、家づくりにおいて、何を一番大切にするか?が、ますます問われることになるかと思います。
大手ハウスメーカーの動向ですが、値上げ起因を筆頭に受注棟数の減少が目立ちます。一方、海外業務が順調なメーカーも多く、売り上げの1/4~1/3程度を海外事業で賄っているようです。結果的には、業績好調という事ですので、さすが体力のある組織は違うな…という印象です。
これに付随して、メーカーでは以下の2点を重要視しています。
1:専用住宅以外の「賃貸物件」や「大型建築物」、「店舗」に注力していく
2:社内効率化をはかり、利益確保をしていく
当職の立場で気になるのは、社内効率化の推進です。案の定、営業や設計、現場監督などはかなり問題発生している会社を見かけます。特に現場サイドでは、効率化を推し進めるがゆえに、以前では考えられないような「施工ミス」や「杜撰な対応」が目立ってきました。
2025年は、折角作ったものを「壊す」、やり替え工事が目立った一年でした。ハウスメーカーが、業務効率化を推進していくのであれば、この流れはしばらく止まらないかもしれません。
ちなみに、大きなトラブルでは、住宅が傾く(不等沈下)相談が2案件、検査の指摘によって、基礎を壊したのは3案件、内装を大掛かりにやり替えたのは6案件、なかには躯体一層をまるまる解体・・という、トンデモナイ事案も発生しました。

工務店業界では、会社の倒産トラブル相談がいくつかありました。工事中にかなりの中途金額を支払った状態で、倒産になってしまいますと、建て主はなすすべがありません。大手に比べてどうしても体力のない工務店の場合、受注棟数の減少が運転資金の減少に直結しますので、かなり慎重に見極めないと大変なことになります。
建売業界でも売り上げの落ち込みが目立ちます。仕入れた土地をどうすることもできない、建てた住宅が計画していた金額で売れない事案が目立った一年です。職人への発注単価に、どうしても注文住宅業界とギャップが生じ、現場品質に不安が否めないのが現実です。建売の竣工検査を実施させて頂き、法令違反が原因で白紙解約または解約トラブル事例も数件発生しました。
建築家では、行列のできる事務所とそうではない事務所の差が特に目立っていました。心配なのは、建築費用の高騰で、折角いいプランが出来ても、それを実現するのに途方もないお金がかかる…という事もありますので、コストグリップは今まで以上に必要になってきます。
こういった現状を踏まえると「家を建てる(買う)のが怖い・・」という気持ちになってしまいますね。
最近の流行りでは、住宅会社の訴求は下記がポイントになっています。
・性能重視の数字ゲーム(例えば、C値が2!など)。特に断熱と気密
・一方で、数字はそこそこでいい!
・異端では、我々だったら、何でもできますよ!
ですが、建てたい家の条件は人それぞれ多種多様です。上記の流れに惑わされずに家づくりを進めてください。一番大切なことは「自分たちが希望する家」が、「約束通りに」引き渡せることです。
家づくりに一抹の不安がある方は、ぜひお問い合わせをお待ちしています。
2025年12月27日
一般社団法人 住まいと土地の総合相談センター
代表理事 市村崇 拝




