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【家を建てる前に!知っておくべきこと。】
これまで多くの案件に携わってきた経験から、たくさんのお悩み相談を受けました。こんなはずじゃなかった…など、「家づくりの後悔」はどのように起きてしまうのかを解説したいと思います。
・欠陥住宅とは何か?
・なぜ、欠陥住宅になってしまうのか?
・家づくりの後悔とは?
・後悔しない家づくりのためには何をすべきか
・欠陥住宅とは何か?
私の拙著を読んで下さった方、YouTube動画をご覧頂いた方の多くは、「欠陥住宅だらけに思えてきた…。」「なんで大きなニュースにならないのか?」とご質問を頂きます。私から言わせれば欠陥住宅であふれかえっているのですが、確かに大きなニュースにはならず、故に消費者皆様が意識しづらい状況だと思います。
理由はいくつかあるのですが、ここでは主な理由を3つ紹介します。
1:建築基準法がとても緩い(木造住宅の作り方を網羅できない)
2:大手ハウスメーカーが、マスコミのスポンサーである
3:悪い部分があっても気づかない、またはこんなものかと思ってしまう
事にあると考えています。
明らかに法律違反であれば、欠陥住宅だ!という事で、まれにニュースでも取り上げられますが、そもそも法律で定められている基準がとても緩いですし、低層住宅の詳細を法律で網羅できませんので、法律上の違反建築というのが、数少ないのが実情です。では法律に違反していないのであればいいのでは?と、お考えの方もいらっしゃると思いますが、建築基準法の第一条にはこのように明記されています。
第一条(目的)
この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。
建築するご自邸が、最低限の基準で構わないという事であればいいのでしょうが、「それは嫌だ!」という場合には、ご自身で予防策を考えないといけないのです。
イメージですが、建築基準法で正式に決まっているのは、この程度です。
もしも現在、家づくりの打ち合わせを進めている最中であれば、このように担当者に尋ねてみてください。『今回、我が家の床は水平に作られるんですよね?』と。納得の答えをしてくれる担当者は少ないと思います。
なお、我々の考える欠陥住宅とは「法律・ルールを守らず、契約時の約束を反故した建物」と位置づけています。
・なぜ、欠陥住宅になってしまうのか?
ではなぜ、法律やルールを守れないことが発生するのか?契約時の約束を反故した家が建築されるのでしょうか?これには低層住宅業界特有の問題点が大いに影響をしています。
建築業界は主に分業制で業務遂行していきます。建築を知らない営業が打ち合わせを行い、現場を知らない設計が建て主と顔を合わさずにプランを作成します。工事が始まれば、経験値の少ない現場監督が現場を管理し、無資格の職人が作業を進めていくのが、低層住宅業界の特徴です。
まして、現場監督はいくつもの現場を掛け持ちしていますので、現場巡回の回数は限られています。大手のハウスメーカーであれば、自邸の現場に監督が来る回数は何回くらいだと思いますか?実際には、かなり少ない回数で完成まで進んでいくことになります。
例えば、写真のような「床養生」に関する取り決めなどは存在していません。ですが、気になる方は多いはずです。
特に伝言ゲームの精度は芳しくありません。「営業に伝えたことが図面に反映されていない」「現場監督にお願いしたことが、職人に伝わっていない」ということは日常茶飯事なのです。
・家づくりの後悔とは?
家づくりの途中で当センターに駆け込んでいらっしゃる方の多くは「こんなはずじゃなかった」「自分達は大丈夫だと思っていた」と口をそろえます。
これは、ある意味においては仕方のないことかもしれません。建築のことを知らない一般消費者の方が、性善説を基に住宅会社を選び、膨大な量の打ち合わせを、およそ半年間でこなしていくのですから…。自分たちの質問や要望がクリアになっているかどうかの確認もままならないで家づくりが進んでいけば、「こんなはずでは・・」となってしまうのは自明です。
・後悔しない家づくりのためには何をすべきか
そうならないためには何に注意をすればいいのでしょうか?まずは「自分たちの家づくりの目的」を常に忘れずにしていきましょう。なぜ、家を建てるのか?そのきっかけは何かが非常に大事です。同時に、優先事項を書き出しておきましょう。打ち合わせをするたびに、これらのことを思い出し、疑問点があれば質問をぶつけて解消した上で、次の打ち合わせに臨んでください。
次に大切なことは「何を約束したのか?」という事です。約束したことが、図面・見積・契約書などにきちんと反映されているのか?これらを確認せずに契約してしまうと、後で「こんなはずじゃなかった…」という事態に陥ります。
そもそも素人なんだから、何を聞いたらよいのかさえ分からない…、そんな方は当センターまでご連絡ください。